りんごの栄養・効能

欧米では「1日1個のりんごは医者を遠ざける」とか「りんごが赤くなると医者が青くなる」などという諺があるとか。日本でもお見舞いの定番として選ばれるなど、身体に良い果実として知られています。

主成分は果糖、ブドウ糖などの糖質です。

すっぱみのもとはりんご酸とクエン酸です。

カリウムなどのミネラル類、ペクチンという食物繊維が豊富に含まれています。その為、特に胃の働きを整える作用や、高血圧防止に効くなどとされています。

最近はりんごポリフェノールによる老化防止やガン抑制の抗酸化作用の効果が確認されてきています。

ポリフェノール効果

赤ワインで一躍有名になったポリフェノールは、りんごにも100種類以上含まれている事が最近分って来ています。このポリフェノールは老化防止や癌細胞を促進させる活性酸素を抑える抗酸化作用の他にコレステロールを減らすという働きがある事も動物実験で明らかにされています。
また、りんごにはポリフェノールの他にエピカテキンも多量に含まれるため、より確実に活性酸素を抑えてくれます。エピカテキンは皮に多く含まれ熱にも水にも強いのですが、空気には弱いため、レモンをかけたり塩水につけたりしてエピカテキンが酸化するのを防ぎます。

整腸効果

食物繊維には、水に溶ける水溶性と溶けない不溶性の2種類があります。りんごに多く含まれる食物繊維のペクチンは水溶性です。元々腸の掃除をしてくれるのは不溶性食物繊維ですが、りんごのペクチンは水分を含むと寒天状に固まり腸内の炎症をおこした粘膜をカバーしてくれる働きがあります。また、悪玉菌の活動を抑え腸内の環境を整えてくれる働きがあります。りんごが下痢や便秘によいといわれるのはこのためです。
ペクチンには悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やすという作用もあります。
ペクチンは安定した成分なので空気にも強く、切っても擦りおろしてもその効果は変わりません。熱にも強いので料理に使っても大丈夫です。
ペクチンは果肉よりも皮に多く含まれているため、皮ごと食べた方が効果的です。
ジュースの場合は、透明なものにペクチンが含まれないそうなので御注意下さい。

高血圧防止

りんごに含まれているカリウムには、身体の中のナトリウムを排出し血圧を下げる効果があります。塩分を獲り過ぎると血管にナトリウムが溜まり、血管を詰まらせて高血圧となります。それから脳血管障害などに発展することもあります。そこへカリウムが入ると、余分なナトリウムを運び出し血液の流れを改善してくれます。1日に1個か2個食べれば十分に血圧は下がってくれるそうです。

疲労回復

りんごに含まれるりんご酸には疲労回復の効果があります。疲労の原因には乳酸という物質が大きく関わっていますが、りんごを食べると体内でクエン酸サイクルが始まり、乳酸を減らす効果があらわれます。

丸かじりで丈夫な歯と歯ぐき

成分のアップルフェロンは歯に虫歯菌をつきにくくし、虫歯予防になるという報告があります。
育ち盛りのお子種におすすめしたいのが、りんごの丸かじり。丸かじりは歯のすき間にたまった歯垢を取り去り、歯を清潔に保つ歯みがき効果があります。また歯や歯ぐきを丈夫にするだけでなくアゴの発達を促します。アゴの発達が遅れると永久歯の並びにも影響を与え、そこから様々な病気へと発展してしまいます(顎関節症、肩こり、頭痛など)。噛む力が弱まりアゴが小さくなっている現代っ子、りんごを毎日食べてしっかりとした歯の育成と健康づくりを。
欧米では「自然の歯ブラシ」とも呼ばれています、育ち盛りのお子様だけでなく、老若男女を問わず、食後のデザートにいかがでしょうか?

美肌効果

りんごはアルカリ性の食品です、また自然の繊維分が多く整腸作用などがあるので、美肌を保つのに大変効果があります。

肥満、糖尿病の予防効果

食生活が充実した現代において過食は現代病ともいわれ肥満成人病のファーストステップになります.この過食症を予防するためには食事の30分前にりんごを一個食べると効果的です。満腹感が得られると同時に、主食の糖質の量が少なく押さえられ、肥満や糖尿病の予防に効果的です。
また、インシュリン不足は糖尿病の一因ですが、リンゴに含まれているカリウムが欠乏するとこのインシュリンの働きが悪くなるといわれます。また、リンゴのペクチンは糖質を吸収するので糖尿病患者の血糖値を下げる働きがあるといわれています。